第4章 服装改革①
あと200メートルで家っていう、小さな公園の前、葉山くんが立ち止まった。
「もうちょっとだけ、いい?」
斜め後ろの彼を振り返って、「もちろん、どうしたの?」と尋ねる。
何だか暗い表情をしてる彼の背中を追いかけて、公園のベンチに腰かけた。
「今日はほんとありがと。お礼は何がいい?」
尋ねるけど、黙ったままの葉山くん。
突然こちらに向き直って、唇が重なった……。
ナニコレ……?
目を見開いたまま数秒……。
私は彼を突き飛ばした。
「なっ、な、何で!?」
声が上擦ってしまって悔しい。
不覚にも心臓は早鐘を打つ。
「お礼、これでいーや。
じゃあな」
それだけ言って、さっさと踵を返し早足に立ち去る葉山くんを追いかけることも出来ず、私は固まる。
彼は振り向かなかったから、表情も全く読み取れなかった。
……な、何だったの!? 何だったの!?
わたし、京ちゃん意外の人と、キスしちゃったの?