• テキストサイズ

深海のリトルクライ(アルスマグナ/九瓏ケント)

第11章 ひとつの恋が終わる時



「ありがとうございました。」

両親から留学の話はすでに学校側に連絡が入っており、9月半ばには転校する運びとなっているようだった。
一応私からも挨拶を、と思い職員室に向かい、学年主任やお世話になった先生に頭を下げて回った。

幸い、…九瓏先生の姿はなくて。


ぴしゃ、と職員室の扉を閉めた後、携帯を取り出す。


『今日、先に帰っといて。』


ロングホームルームの時、アキラから届いた短いメッセージは淡白なものだった。
(まだ、返事ない。)
了解〜、部活?と返したのだが、17時を回った今もまだ返事がない。部活だとしても、休憩には必ず返事をくれていたのに。そう思いながら、ぎゅっとスカートのポケットに携帯を入れようと思ったのだが。

(…?)

四角い箱が手にあたり、私の動きは止まった。
靴箱に向かうはずだった足は、違うところに向かって歩みを始める。
/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp