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【スイートルームの眠り姫】学園の眠り姫

第6章 それでもキミを


いつもは静かなはずの湖から
男女の声が聞こえてきた。

「花音…大丈夫?
黒板のやつ、消したから」

「…景斗様、怒っておられないのですか…?
私は、私は!景斗様が...」

彼女は取り乱していた。
泣きながら。

「怒ってないから、落ち着いて」

ごめんなさい、と何度も繰り返す彼女

「花音」

しっかりと彼女を呼んだ。
彼女が動きを止めたところで
景斗は花音に近づき
ゆっくりと唇を重ねた。

「ん…っ、だめです、
学園でこんなこと...」

「俺たちのこと公表するべきだ
だったらあんなことは…」

「そんなこと、無理です!
私と景斗様が恋仲なんて
身分が違いすぎま…」

そこまで花音が言うと
景斗は悲しそうに
もう一度彼女の唇を求めた。
あつい、蕩けるほどの
二人の空間はそこにある。

花音の聞いたこともない声。
見たこともない顔。
俺と二人で過ごした場所に
他の男となんて…許さない

そのとき自分の中で
何かが切れた気がした。
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