第1章 社長令嬢
私が見ていると
こちらをみて、
「財前さま!!」
といって大急ぎで歩道を渡ってきた
「勝手にうろうろしないでください、
万が一の事があったら…」
「雪人、心配かけてすまない」
「いえ、今後気をつけてください」
え?この人何者なの??
この感じから言うと執事だよね…
「財前さま、こちらの方は?」
財前さま、と呼ばれたおじいちゃんは
私の方を向いて
「この子は私の命の恩人だよ
ひかれそうになったところ助けてくれたんだ」
「!?」
執事さんはびっくりした顔で私の方をみた
するとかしこまったように
こちらに頭を下げた。
「このたびは財前さまのお命を
救ってくれてありがとうございます。
執事の水瀬雪人です。あなたさまは?」
「環奈です。
そんな!私はたまたま通りかかって
危なかったからとっさに体が動いただけで
そんな大したことは何も…」