第1章 社長令嬢
信号を渡ろうとすると
青がカチカチと点滅し始めた
(まぁ、急ぐものじゃないし、
次の信号で渡ろうかな)
そう思っていると、しばらくして
おじいさんが歩いていこうとしていた
「え!?ちょっと!!
危ないですよ!!」
そう叫んでも車の音でかき消されてしまう
周りの人たちは携帯のディスプレイを
目で追うのが必死でおじいさんに
気が付いていない。
赤に変わるまであと少し…
こうなったら…!!
私は荷物を全部置きっぱなしにして
横断歩道へと走って行った
私が走ったときにちょうど赤になった。
今ここで、おじいさんを見逃したら
私は一生後悔することになる
それなら…後悔するなら、
助けるしかない