第3章 すれ違い
「ん」
なんだろう?
ベットに腰かけた誠二くんが
腕を広げている
「なに?」
「おいで」
そばに駆け寄ると
懐かしい香りに包みこまれた
頭を撫でられる
「…っ、誠二くん!?」
「昔みたいに呼べよ」
「昔…って」
"せーくん"
って呼べと!?
そりゃぁ、昔はいけたけど…
「む、無理」
熱で死んでしまいそうだった
「そんな顔するなよ
じゃぁ、一回だけ
呼んだらご褒美やる」
「せーくん…」
うう…逆らえないよ、
昔から私はせーくんに弱い
「よくできました」
ちゅっ。
「っっっ…!!!」
「ばーか。
本気キスならいんだろ
…大変だったな、今まで」
その笑顔は反則だよ…
「本気キスって、私にいじわるばっかしてたくせに」