第3章 すれ違い
「じゃぁ、お前、
財閥の娘じゃねぇだろ?」
素に戻ってる!?
「娘、だよ」
「隠すなよ」
嘘はついていない
「嘘じゃないよ」
「お前、俺に隠し通せるとでも
思ってんの?」
私は子供ができないと診断された
景斗さんに養子として引き取られ、
過ごしてきたけど
景斗さんは去年結婚して
男の子の連れ子がいたから
私は必要がなくなったこと。
中学を卒業して、上京して、
財前のおじいちゃんを道路で助けた。
黒崎専務という悪い人に財産を
奪われないため、私は財前の
おじいちゃんのもとに娘として
養子にだされた
「…隠すことなんて、なにもないよ
これが事実」
私は全て包み隠さず話した