第3章 すれ違い
「こんにちは、環奈さん」
「あ、誠二くんびっくりしましたよ…
まさか後ろだなんて」
「驚かせてしまってすいません
環奈さんは、秋月亮と仲がいいんですか?」
「そんなことないです、あんな最低な…」
「最高だろう」
「秋月くん!?」
最低っていうの、きこえたんだ。
ふいに現れたのでびっくりした。
「亮でいいと言った」
誠二くんと話すため後ろを向いていた
私の背後に立ち、後ろから私の顎を持ち、
顔を近づけてくる。
「っ…!」
ん…?
目をギュッとつぶっていたが、
唇には何も触れない。
うっすらと目をあけていると
あと少しで唇が触れるぎりぎりのところで
亮は私を見ていた。
(近いよ…)
「環奈…少し話したいことがある」
「なんの…?」
パンっと、手を弾く音が聞こえ
腕をひかれた
「環奈さん!逃げるよ!」
誠二くんに手をつかまれて走った