第3章 すれ違い
あれから走って、私と誠二くんは
屋上にやってきた。
高いビルの屋上だけあって高い。
「はぁ…はぁ」
「すいません急に連れ出して…
なんだか亮があなたに触れると
胸がもやもやして…
疲れましたよね、座りましょう
なにか飲みますか?」
「あ、じゃぁ、ココアで…」
屋上には自動販売機がある
私は誠二くんが自分用のコーヒーと
ココアを自動販売機で買う
背中をみつめていた。
ぼーっとしていると、
「ひゃ」
「はい、どうぞ」
頬にあてられてびっくりする
「ありがとうございます」
「あの…亮と話してる途中だったのに…
屋上で頭冷やしたら俺迷惑でしたよね」
「ええ!!そんなことないです!!
助けてくれてありがとうございました」
いつも、助けてくれるのは誠二くん。
これで3回目
驚きとかすかな恥ずかしさのあまり
震えがとまらない…
誠二くんは頭を撫でてくれた
「大丈夫ですよ」
少しだけ怖かった、けどなんか
誠二くんの匂い、ほっとする…
どきどき、する…