第1章 社長令嬢
両親はわからない…けど、
幼いころに桐嶋家の若社長
景斗さんに引き取られたのは覚えてる。
子供ながらに景斗さんに聞くと
景斗さんは子供が作れない
体質で、跡継ぎに困っていたそうだ。
景斗さんは優しく迎えてくれたが、
のち、去年景斗さんは結婚し、
連れ子には男の子がいた。
私は桐嶋家から追い出されるかと
思ったけど景斗さんは
何の変りもなく私に接してくれた。
跡継ぎは男の方がいいに決まってる。
だから私は中学卒業とともに
上京して一人で暮らすことをきめていた。
景斗さんに甘えてはいけない。
ちゃんと借りは返したいから。