第4章 幼馴染からのお願い
『うわ!?』
学校帰りに及川先輩の誕生日プレゼントを選んでいたおかげで、帰宅が遅くなった私を迎えたのは
他でもない幼馴染の飛雄だった。
しかも、私の部屋の真ん中で正座してる。
影「藤間瑠維さん」
『な、なんでしょうか』
飛雄からのフルネーム呼びに鳥肌が立ちまくりながらも、返事を返す。
影「べんきょーを教えてくれたりしませんか」
『…今、なんて?』
バレー馬鹿で、バレー以外に頭を使えないこいつが
今、勉強って言った?
影「勉強教えろっつってんだァァァ!!」
『ちょっと!近所迷惑だから大声出さないでよバカ!!』
いったいなんの影響で勉強とか似合わないこと言い出したんだろ…。
『要するに、遠征に行くために期末テストで赤点を回避しなきゃならない、と』
影「そう言うことだ」
こいつに勉強を教えるなんて、猿の方がよっぽどましなような気がする。
影「んで、お前いちおー頭いいし、進学クラスだし…」
『飛雄さぁ…』
影「ん?」
勉強の仕方もわかんないし、授業も寝てるし、そもそも勉強する気もなかったんでしょ?
飛雄は、ぐっと言葉を詰まらせる。
『いい?今から言うこと、ノートに書いときなさい』
いそいそとノートを広げ、シャーペンを持つ。