第3章 高校生活
及「…ん、アリガト」
腑に落ちないって顔をしてる。
入口まで送ってく
その言葉に甘えて、先輩の背中を見ながら、歩いていく。
1番をつけた先輩の背中はいつもよりずっと大きく見えて。
また、私は置いていかれる。
いつもいつも、及川先輩は私のずっと前を走ってる。
もう、追いつけないのだろうか。
及「瑠維ちゃん?」
足を止めた私に及川先輩は、不思議そうにする。
『おいていかないで』
及「んん?俺、隣歩いてたよ」
『…なんでもないです』
つい出てしまった言葉をなかったかのように、再び歩き出す。
及「じゃあ、ここでいいね」
『はい、ありがとうございました』
お礼の言葉を述べたあと、回れ右をして体育館を出ようとすると、
ふ、と
腕を引き寄せられた。
体勢を崩した私は、後ろ向きのまま及川先輩の胸に背中をつけた。
そのまま耳元で
今週は無理だけど
及「来週の月曜はいつもどうりオフだから」
家においで
驚いて顔を見上げると、笑って
言いたいことは何でも言うこと。
そう言う及川先輩は、やっぱりかっこよくて。
ああ、もう
『それ、反則です』
あなたは飛雄に嫉妬してるけど。
私は、そんなものに目を向けられないほど
あなた以外見ていないんです。
きらきら輝いていて、直視してしまうと目が潰れてしまいそうな先輩。
あなたが好きで、大好きで
だからこそ不安なんです。
私があなたにつり合っている彼女かどうか。