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短編集「めくるめく夜」

第1章 黒子のバスケ 氷室×紫原  「めくるめく夜」


「室ち~ん。Sexって気持ちいい??」

「・・・突然どうしたんだい?アツシ」


突然、アツシからSEXのことを聞かれたのは1時間ほど前。
合宿 初日のシャワーを終わらせ、部屋に戻ってきた時だった。
今日はアツシと俺の二人部屋。
先に戻っていたアツシが濡れた髪にタオルをかけたまま、お菓子を食べている。

今日のお菓子はじゃがりこのずんだ味らしい。

まさかアツシにこんなことを聞かれるなんて、驚いたよ。

アツシはあまり女の子に興味があるようには見えないからね。
まあ、相手は女の子じゃなくてもいいわけだけど・・・


「アツシは自慰はするのかい?」

とりあえずそこからだ。
今時小学生でもしているかも知れないけど、アツシはどうだろうか。

「オナニーってこと~?
たまにするよ。
するの忘れてると夢精して下着汚れるから 嫌だし。」

自慰の理由が“コレ”か・・・

「はぁ・・・。じゃぁ 自慰で気持ちいいと思わないのかい?」


考えるそぶりをするアツシ。
気持ちいいというのは考えることなのか。
人間の三大欲求ではないか。
先が思いやられるな。

「ん~・・・気持ちいいとは思うけど、そんな時間あるなら、お菓子食べてるか寝てるほうがいいし~。」

アツシの場合は、他の二つの欲求が強すぎだな。
食欲というよりはお菓子欲と名付けたいくらいだよ。

「ははっ、SEXは自慰の10倍気持ちいいと思うよ。
アツシも試しにやってみたらどうだい?」

百聞は一見にしかず。
口で説明するよりやってみたほうが早い。

「めんどくさいし~。それに相手がいないとできないし。
女の子ってめんどくさそ~」

「別に女の子にこだわる必要はないんだけど、アツシにはまだちょっと難しいかな?
俺が女の子見繕ってあげるよ。
どういう子がタイプだい?」

俺は携帯のメモリをあさり始める。


あゆみ・・・は、純粋すぎてリードしなきゃないから、初めての相手には向かないかな。
りさは反応がオーバーすぎて、敦は引くかもしれない。
Oliviaは体も感度も最高なんだけど、さすがにアメリカから呼ぶのも・・・



なかなかちょうどいいっ子っていないものだな。


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