第3章 その名は、妖精の尻尾。
なんだかんだで3日目です。
ジュビアが懐いてくれました。ちょっと嬉しい。
いつもなら俺が起きてもガジルはまだ寝てるんだけど、今日は違った。俺が起きた時にはもう部屋にいなかった。
というか、外が騒がしい。
俺「起きて、シロ。」
シロ「ん~・・・おはよぉ~レン~。」
俺「おはよ、シロ。降りよう。」
シロ「うん・・・だっこ。」
俺はシロを抱きかかえて、いつものように部屋を出て酒場へ降りた。
そう、いつものように。でも、そこはいつも通りじゃなかった。
わぁぁぁああぁぁぁああっ!!
戦場だった。
俺「な・・・にこれ・・。」
シロ「・・・幽鬼の支配者の人達、押されてるねー・・。」
俺「・・・ガジルは・・?ジュビアは何処・・・?」
ガジル達、エレメント4の姿が見えない。
俺がジュビア達の姿を探していると・・・
「お前も幽鬼の支配者だな!!!」
シロ「!レン!!!」
俺「え・・・?」
後ろを振り向くと、見た事ない人。この人・・・敵だっ!!
そう思った時にはもう遅かった。敵の人の手に炎がついて、目の前が紅くなった。咄嗟にシロを抱きしめた。
『我らの名を呼べ。』
・・・誰だ、俺に話しかけてるのは・・。
『我らの名を呼べ、レン。我らが主!』
俺「~~っ!“青龍”ーーーーーーっ!!!」
突然、ギルドの中にいるはずなのに雷が落ちて、雨が降ってきた。
俺と敵の間に割り込むようにして落ちた雷。敵はそれにびっくりして飛び下がった。
俺を守るようにして現れた長髪の着流しの人・・・。
「・・・呼ぶのが遅いぞ、主。」
俺「・・・お前が・・青龍・・・?」
青龍「・・・今回だけだぞ、特例は。次からはカギを使え。」
・・・カギ?カギって・・。
スタンッと軽やかに青龍の前に誰かが降りてきた。・・・この匂い・・。
俺「ガジル・・・!!」
「あいつが・・・!鉄竜のガジル!!」
・・・そんな異名がついてたのか、ガジル。
ガジル「・・・部屋に戻ってろ、レン。」
俺「・・・え?でも・・。」
ガジル「戻ってろ。・・・いいな?」
俺「・・・わかった。青龍・・・もう帰っちゃったか・・。」
「!待て!!」
俺は、ワケも分からないまま部屋にダッシュで戻った。