第11章 それは、黒い空だった。
俺「・・・グレイ、グレイ。」
グレイ「・・・ん・・レン・・・?」
俺「普通の睡眠薬で良かったな。」
グレイ「普通じゃない睡眠薬なんかあるのか?」
俺「世の中、いろんな薬が出回ってるぞ。」
グレイ「・・・普通の睡眠薬でよかった。」
グレイとレンは廊下駆けながら話している。
グレイ「で、お前も行かないといけないんじゃねぇのか?地下に。」
俺「あー・・・まぁ、そうなんだけどさ。」
グレイ「・・・?」
俺「ちょっと今、怒りで我を失いそうなんだよなぁ・・。(笑」
グレイ「・・・!(ゾクッ」
俺「国王と女王は、何考えてやがる・・・!!」
グレイがレンの後を追うようについて行った先にあったのは大きな扉。
バァンッ!!と勢いよく開けるレン。
俺「・・・どういう事か、説明くらいはしてくれるだろうな?国王と女王。」
そこは、謁見の間だった。
ソーレ「・・・レン様。説明とは?」
俺「とぼけるなよ。エスポワールの事だ。」
女王「エスポワールが何か粗相を致しましたか?」
俺「あのエスポワールは何だ。誰だ。」
グレイ「・・・?」
俺「10年前、俺がここに戻ってきた時のエスポワールとは違う人間だった。・・・アイツは、何なんだ。」
女王「あら、エスポワールに会っていらしたの?」
俺「白々しいぞ。」
女王「そうねぇ・・・確かに、“あの子”ならもうこの世にいないわよ。」
俺「・・・。」
“あのねっ!レン様!!私・・・私、もっと頑張る!だから・・もっといい国に、私が出来たら・・レン様は戻ってきてくれる?”
俺「・・・もう、いいよな。」
グレイ「・・・?レン・・・?」
俺「・・・その座を今すぐ降りろ。」
ソーレ「!」
女王「・・・あら、いきなりどうなさったの?」
俺「降りろ。」
女王「お断りよ。」
ソーレ「・・・私も、お断りだ。」
俺「・・・そう。」
俺「なら、俺が落としてやるよ。」