第11章 それは、黒い空だった。

エス「では、今度は私から参りましょう。」
ハッピー「！それ、ルーシィの鍵！！」
ナツ「お前が持ってたのかよ！！返せよルーシィの鍵！！」

エス「あの者を呼ぶには鍵が必要だったために拝借させて頂きました。」
ハッピー「2本の鍵・・・？2体一気に呼ぶつもりなの！？」


エス「開け、“曙の間”・・シャヘル！！」
ナツ「・・あけぼのの間ぁ？」

ピーンポーンと、軽やかな音を立てて現れたのはナツ達が今までに見たことがない、古風な格好の男。


ハッピー「星霊・・・？」
エス「星霊とは少し違うわ。一応この子、神様の一人だもの。」
ナツ「神様ぁ！？」
シャヘル「・・・無茶ぶりな呼び出しをしておいて何だ。」
エス「アイツを戦闘不能にして。」
シャヘル「・・・断る。」
エス「！ちょっと！？」
シャヘル「前回の約束と違う。次に呼ぶ時はレンを呼ぶと言っていた。」
エス「レンならこの城にいるわよ。だから、さっさとソイツ倒して行くわよ。」
シャヘル「レンが先だ。」


ナツ「・・・なーんか、喧嘩してねぇか？」
ハッピー「あぃ。」
エス「大体、今の主は私のハズよ！私の指示に従いなさいよ！！」
シャヘル「滅竜魔導士とは戦わないと決めてるんだ。断る。」
ナツ「！」
エス「もういいわ・・・この役立たず！！」

そう言うと、エスポワールは隠し持っていた剣でシャヘルを斬った。

ハッピー「・・・！！」
シャヘル「・・・これだから、俺はお前が嫌いなんだ・・。」


シャヘルはそう言うと姿を消した。


エス「もういい。自分でやる。」
ハッピー「！ナツ！！来るよ！！」
エス「水造形魔法、“獅子”。」
ナツ「！火竜の翼撃！！！」

エスポワールの出した巨大な獅子は怯える事なく口を大きく開けた。

エス「喰らいなさい。」

そうエスポワールが言うと、獅子はナツを呑みこんだ。

ハッピー「ナツ！！」
エス「そこで大人しく、獅子に魔力を吸われてる事ね。」

ナツ「滅竜魔法奥義不知火型・・・紅蓮鳳凰剣！！」
エス「！獅子を壊した！？」
ナツ「紅蓮火竜拳！」
エス「開け、金牛宮の扉！タウロス！！」



タウロス「モ、モウ・・・。」
ナツ「！お前、ルーシィの星霊・・・！！」
エス「代わりに受けてくれてありがとう。もういいわ。強制閉門。」
ハッピー「星霊を盾にした・・・！？」