第11章 それは、黒い空だった。
俺「・・・俺を脅すためだけに奪ったのか?」
エス「そんなワケないでしょう。」
グレイ「・・・ルーシィは今、戦えないって事か?」
俺「大丈夫。」
エス「?」
ドカァアアンッと、轟音が響いた。外では、何かが戦っている。
エス「・・・あれは・・モンド?それに、星霊!?そんなバカな!!」
俺「別の場所に入れてたから気付かなかったんだろ。」
エス「まぁいいわ。・・・“開け、金牛宮の扉。タウロス”!」
タウロス「モォォォオ!!・・・え?」
グレイ「タウロス!?ルーシィと契約してる星霊じゃねぇか!!」
エス「私には、貴方と同じ血が流れているのよ?出来ないと思っていたのかしら?」
俺「タウロス悪い。“強制閉門”」
レンがそう言うと、タウロスは星霊界へと戻って行った。
エス「ふーん・・・。やっぱり出来るのね。」
俺「・・・。」
エス「・・やっぱり、欲しい。」
俺「あ?」
エス「貴方が欲しいわ・・・!アイスメイク、“茨の道”!」
俺「・・・!グレイ!!」
グレイ「アイスメイク、盾!!」
エス「・・・あら!貴方もこの魔法使えるのね!!」
グレイ「氷の造形魔導士くらい、珍しくもないだろ!」
エス「この国では今まで会った事なかったのよね・・・。決めた。貴方も欲しい。」
グレイ「何ふざけたこと言って・・やが・・・?」
突然、グレイがフラついた。
エス「さっきの魔法の氷には・・・強力な睡眠薬が含まれてるのよ。ほとんど無臭だから、気付かなかったでしょ?」
グレイは意識を飛ばしてしまった
エス「・・・さて、レン様はまだ眠らないの?」
俺「黙れ・・・。」
エス「足元フラフラですよ?眠ってしまわれた方が楽なのに・・・。」
俺「・・・っ・・。」
エス「もう夜になりますわ。そろそろ魔力を吸い出す頃だと思うのですが・・。」
俺「・・・七星剣、グランシャリオ!!!」
エス「!床を壊して逃げるつもり!?」
床に魔法をぶつけ、床をぶち抜いたレンはグレイを抱えてその場から下がる。
エス「・・・!」
エスポワールはそのまま地下へと落ちて行った・・・。