第11章 それは、黒い空だった。
ウェンディ「わ、私達だって魔導士ですから、そう簡単には負けませんよ!!」
キース「皆様・・・。」
エルザ「リヒト、教えてくれ。どうすれば儀式は止められる。」
リヒト「・・・地下に、魔方陣を書いた部屋がある。恐らく複数の魔導士によって、もう呪文は唱え始められた頃だろう。今からだと、ちょうど深夜に詠み終わる。」
シャルル「・・・深夜に終わらないといけないのね。」
リヒト「あぁ。・・・それまでに呪文を詠み終わらせず、魔方陣を壊さなければならない。」
ナツ「つまり、部屋ぶっ壊せばいいんだよな!」
リヒト「それでも構わないよ。」
エルザ「魔方陣を壊すのに条件はあるのか?」
リヒト「そうだね・・ナツ君の言う、部屋をぶっ壊す前に、魔方陣に僕たちの血と・・あの中庭にある噴水の水をかけないといけないんだ。」
ルーシィ「あの中庭って・・・隠し通路を通らないと行けない、あの中庭?」
リヒト「そう。あの噴水の水はちょっと特殊でね・・・。」
エルザ「わかった。・・・血は、どれくらいの量が必要なんだ?」
リヒト「キース。」
キース「こちらをお持ち下さいませ。」
エルザに渡した小瓶には紅い液体が入っている。
リヒト「さっき鎌を抜かれた時にね。」
ルーシィ「・・・もう、痛くないんですか・・?」
リヒト「・・・怪我は、元々大きな痛みを感じないからね。(微笑」
ルーシィ「・・・!」
リヒト「・・・すまない。僕はもう戦えないんだ。」
シャルル「・・・儀式が始まってるって事ね・・。」
リヒト「・・・シルビア達を、頼んでもいいだろうか・・?」
エルザ「もちろんだ。リヒトはここで待っていてくれ。・・・ジェラールを、頼んでもいいだろうか?」
リヒト「あぁ、構わないよ。シルビアが寝かせたんだろうから・・当分は起きないだろうし。」
エルザ「すまない。頼んだ。」
エルザ達は部屋から飛び出して行った・・・。
キース「・・リヒト様・・。」
リヒト「まさか、グランディーネやイグニールの子に“再び”会えるとは思ってなかった・・。いやはや、長生きはしてみるものだな。(微笑」
キース「・・しばらくお休みになって下さい、リヒト様。」
リヒト「・・・ふむ、そうしようか。」