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輝やく闇【男主】

第11章 それは、黒い空だった。




ウェンディ「消された・・続き?」
リヒト「・・・元々僕らの話は親から子へと、口伝いに教えられる話でね。それをたまたま知った旅人が本にしたというわけだ。つまり、本には“存在しない事実”もある。逆に、存在した事実が、存在しない事にもなっていたりする。」
ルーシィ「・・・消されたところがいくつもあるけど、今生きてる人達はそんなの知らないから・・それを伝承していっちゃうのね・・。」

シャルル「王女が戻ってきたのなら、祝福を。さすれば王子も戻ってくる。王子が戻ってきたのなら、この国に平穏と富が与えられる。・・・私達が聞いた伝承は、これで終わっているわ。」
リヒト「・・・順番は、逆だ。」
エルザ「逆?・・・王子が戻ってくるから、王女は戻ってくるのか?」
リヒト「その場合、“王子”を指すのはレン。レンがここに戻ってくれば、迷わずシルビアは此処に戻ってきてレンを連れ出そうとしただろう。」
ルーシィ「・・・ん?連れ出されたら平穏と富が与えられるの?」
リヒト「いいや。何も起こらないさ。だから、この伝承は“真実”とは違う。」

エルザ「では・・・何が事実なのだ?」
ウェンディ「“この国に平穏と富が与えられる。”って伝承は、何処から来たものなんですか?」
リヒト「消された真実からだよ。」

ナツ「・・何で平穏と富が与えられるんだ?」
ルーシィ「そう言われれば・・・最後の一文が間違ってるのなら、お兄ちゃん達が政治をして平穏に暮らすってワケでもないでしょ?」
シャルル「・・・ねぇ・・ちょっと待って・・・。」
ウェンディ「?どうしたの??シャルル。」
シャルル「“王子が戻ってきたのなら、この国に平穏と富が与えられる。”・・・私達は、勝手にそれを“王子達が戻ってきて仲良く平和に暮らす。”って解釈していたけど・・“それだけに解釈出来る”・・とは、限らないわよね?」
ハッピー「他に何かあるの?」
エルザ「・・・!まさか・・・!」


リヒト「・・・そう。そのネコの言う通り、その解釈は間違っている。」
ルーシィ「・・・!」
リヒト「“僕たちをこの国に永久に閉じ込めて僕らの魔力を永久に利用する”事によって、この国は永久的に繁栄出来る。・・・これが、正しい解釈だよ。」

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