第2章 奏と…
奏side
キーンコーンカーンコーン…
はい。ただいま授業が終わりました。
この後は部活ですね。
今日は風紀委員の仕事がないのでアキラと行くことにしますか……
おや。アキラは今、クラスの女子とお話ししているようですね。先に行くことにします。
「…ねえ、アキラ君!これ…////………よろしくねっ!じゃっ」
「っちょおい!…ま、いっか…」
…盗み聞きするつもりはなかったんですが…まあ聞こえてしまったものは仕方ないということにしておきましょうか。
アキラもモテモテですね。
そんなことより早く部室に行ってしまいましょう、アキラに見つからないうちに。
*****
アキラside
どうすっかな、これ…
さっきあやなに渡されたもの…
まあラブレターと呼ばれるものだろう。きっと。
最近多いんだよな。それになかなかめんどくさいんだよ。
心の中で呟きながら裏を見る。
…悲しくなるわ……
くそ綺麗な字で宛名がかいてあった。
《奏君へ》
…どうしようかな。これ
渡すべきなんだろうけどあいつもいい顔はしないだろうし。
うーん。
考えるのめんどくさいから渡すか。
うん。仕方ない仕方ない!
*****
奏side
…そういえば誰だったんでしょう
アキラに手紙を渡していた人は。
俺に回ってこないことを祈ります。
アキラ経由が多いんですよね。なぜか。
直接渡しにこればいいのに…
部室の前につく。
珍しく今日は静かですね
誰もいないのでしょうか…
ガラッ…
ですよね。誰もいませんでした。
今のうちに着替えてしまいましょう
うるさくなる前に。
ガラッっ!
勢いよく扉が開いたかと思うと同時に真っ赤な頭が体を引き連れて入ってきた。
「おう。さっき振り!」
真っ赤な頭の奴はにかっと笑って
話しかける。
「つまらないこと言ってないで着替えてきたらどうですか」
目の前に座り込んだのですかさずに言う。
「いやー。お前に渡さなきゃいけねえもんがあんだよ。ほい。」
「…なんですか。これ…」
「見たらわかんでしょ、手紙ですよ。あやながお前にって。」
「…!?飯島さんが?俺に?アキラにじゃなくて、ですか?」
「…?うん。ほら。」
《奏君へ》