第3章 先生と・・・
いつものように準備室でタバコを吸っているとノックが転がり込んできた。
「はい?どちらさまですか?」
そういいながらタバコの火を消し、ドアを開けると長い髪が俺にぶつかってきた。
顔を見なくてもわかる。俺の愛しい恋人だ。
「どうした?なんかあったか?今授業中だぞ?」
「・・・うん。いやっなんでもないっ!」
おいおい、いまがっつりうんって言ったよな。
それに何にもないやつが授業中に化学準備室に飛び込んでくるわけがなかろう。
計算・・・?いや、こいつにそんな器用なことができるもんか。
「何にもないなんてことはないだろう?本当に何にもないなら顔あげてみ?」
「・・・や。」
「・・・。ふふっ・・・そーかー、いやかー」
ちょっと寂しそうに言いながら体を離そうとすると、
「やだっ!」
隙間を埋めようと力を入れるが俺のほうがはやかった。
少しあいた俺の体とあやなの顔の間にすかさず手を入れ、顔を上げさせると
「うぅ、」
見事なまでの泣き顔だ。
「どうした?言ってみ?何があった?」
「・・・。だってぇ・・・奏君がぁ・・・」
そろそろ授業も残り15分を切ったころ、ようやく途切れ途切れの説明もひと段落したようで黙り込んだ。
まず一言感想を言っておこう、何こいつかわいいな・・・。
そして奏、お前なにすり込んでくれてるんだ、おい。
まあいい。まとめるとこうだ。
あの教室でのことが終わった後、奏含め音楽室に移動した。
そこまではいい。この後だ。
唐突に奏は俺が遅刻してるくことについてぺらぺらしゃべったそうな。
普段滅多なことではしゃべらないあいつがぺらぺらしゃべり始めたこと自体たいそうなことなんだが、あいつはさらに爆弾を投下した。
「先生が遅刻しないようにするため貴女が同棲すればよいのではないでしょうか?」
と。
真面目なあやなは本気にして、いろいろ考えた結果号泣に至ったのだろうが正直俺にはわけがわからない・・・。
だが、
これは後から聞いた話だが困惑するあやなを尻目に口だけの笑みを浮かべていたそうな。(アキラ談)
これを聞いた瞬間いろいろ悟った。
きっとよからぬことをすり込んだんだろう。あのエロ眼鏡め。
後で覚えてろよっ!
というようなわけで、余計なことも説明のなかに入れた気もするが・・・。
俺にどうしろというのだっ!?