第3章 先生と・・・
キーンコーンカーンコーン・・・。
たった今、クロノス学園のHRの開始音が鳴り響いたところ。
2-A含め多くの生徒はあわただしく各々席に着く・・・。
そんな中、2-A担任の九瓏ケントはいまだ家の中で黙々と朝飯を食らっている
「今何時だ?・・・んっ?・・・まいっか。」
教室ではとある女子生徒がそんなケントを見透かしたように言った
「どうせ、のんびり朝ごはん食べてるよ。HR始まってるのも知ってるんだよ・・・絶対。」
語尾には確かな怒りとかすかな愛しさが込められている。
そう、飯島あやなと九瓏ケントは恋人同士なのだ。
あやなは隠しているつもりなのだろうが、色恋に敏感な学生が気付かないはずがない。
そしてケントは隠そうとしているのも隠しきれていないのも知っている。
理事長の息子という立場を最大限に利用して外部に漏れないようにしているのだ。
そんな説明をしているうちにケントは無事学園に到着したようだ。
ここからは彼に任せよう。
ーはい。こちら変わりましたケントです。
絶賛遅刻中ですね・・・まああの子がどうにかしてくれるだろう。奏もいるしな。よし、どうにかなる。
がらっ
「すいません、遅れましt「もうっ何回めなのっ?あたしあと何回出欠とらなくちゃだめなのっ?」・・・ごめん・・・ぶぅ・・・」
「カワイ子ぶってもダメっ!おこれなくなるでしょっ!?」
ニヤッ
「ねえ、ごめんって・・・(上目遣い)←重要」
「うっ・・・。・・・いーよ・・・仕方ないなぁ・・・」
「ふふふっやった」
「だからあ、もう・・・・・・・」
みなさんお気づきだろうかこの教室の空気。
俺が遅れてくるたびに起こる会話を笑って見れる人はどれぐらいいるのだろう?
しらけるにもほどがある。
まあ遅れてくる俺が悪いんだけどね・・・。
そうこうしているうちに1時間目の授業が始まりそうだ。
1時間目は・・・音楽か。
俺は・・・確かどこも受け持っていないはず。
職員室は居心地悪いし、うんやっぱり化学準備室だな。
コーヒーでも飲んで時間をつぶそう。