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短編集「俺はもともと結構しゃべる」

第2章 エルド 続編 誕生会編 


~ハッピーバースディ トゥーユー
ハッピーバースディ トゥーユー
ハッピーバースディ ディア へいちょー
ハッピーバースディ トゥーユー~


今日は12月25日。
調査兵団宿舎では 盛大な宴が開かれていた。
普段は質素な料理ばかりの食堂には、見たこともないような肉料理やお酒が並んでいる。
エルヴィン団長がどこかのルートを使って手に入れたらしい。
(本当は秘密だが、ナイルルートとでも言っておこう。)

それもそのはず、今日は人類最強と呼ばれるリヴァイ兵長の誕生日なのだから。

世間でリヴァイ兵長はどう思われているか分からないが、兵団内での人気は相当なもの。
一個旅団並の戦力と歌われる人類最強は伊達じゃない。
それに加え、本当は仲間思いの優しい人なのだ。
この優しさを下っ端の新兵までもが知っているとは思えないが、人類最強の肩書だけでも人を惹きつけるのに劣らない力がある。

そんな兵長の誕生日ともなれば、兵団あげてのお祭り騒ぎとなるのもうなずける。

宴が始まって1時間ほどたっただろうか、山盛りだったはずの料理はなくなり今はプレゼントタイム。
みなそれぞれ用意してきたプレゼントを兵長に渡している。
ある者は花束、ある者はお酒、クッキー、紅茶・・・
兵長の前には長蛇の列が出来ているが、兵長は無下にすることなく1人1人丁寧に受け取っている。
これが兵長の優しいところだろう。

今日の幹事となり奔走してきたリヴァイ班の面々もそわそわ今か今かと順番を待っている。

「なあ、本当にあれで兵長喜んでくれるんだろっ#*!?」
「ちょっ オルオ 舌をかむのは勝手だけど唾を飛ばさないでよ」
「おい、ペトラ。前にも言ったが俺の女房を気取るには・・・」

相変わらずのやりとりを見つつエレンは興奮気味だ。

「エルドさんっ 兵長きっと喜んでくれますよね!あれ本当にホコリが良くとれるってすごい評判なんですから!」
「しっかし エルド、よく見つけたな。俺たち全然見つけられなかったんだぞ。どこで売ってたんだ?」

グンタに問われるもエルドはにごすばかり。
ペトラには知られてしまったが、他の仲間にはまだ、アナの事を知られたくなかった。
恥ずかしいと言う気持ちもあったが、まだ付き合い始めたばかりで あの時以来会っていない。
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