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短編集「俺はもともと結構しゃべる」

第2章 エルド 続編 誕生会編 


包装紙が開かれたとき、兵長は予想外の表情をした。

眉間にしわを寄せ こう言ったのだ。
「これは どういうことだ」

プレゼントの選択を誤ったか。
ペトラの言うとおりティーカップにすれば良かったか、オルオの言っていたブランデーが良かったのか、はたまた・・・

エレンの顔もたちまち青くなり固まっている。

オルオはしどろもどろになり説明しようとするが噛みまくりで説明になどなっていない。

仕方がない。
俺が説明しようと口を開いた時、

「これはシカンジナ区にいた職人の幻のはたきじゃねえか!

晩年に制作された最高傑作 限定10本!

発売日には1週間前からの徹夜組もでた あのはたきだぞ!

しかも、シリアルナンバー 11/10とはどういうことだ!10本越えちまってるじゃねぇか!

俺がずっと探していても 見つからなかったのになんでこんな物を・・・」

兵長の思わぬ饒舌ぶりに、リヴァイ班一同が目を丸くしていると 脇からすすり泣く声が聞こえてきた。

「へっ へいちょ~ オレ、オレ・・・うわぁ~!!」
感激して 兵長に抱きつきそうになったオルオをペトラとエレンが慌てて止めに入る。

「オルオさん、さすがにそれはまずいです!」

「オルオ いい加減にして!兵長に鼻水つけたらただじゃおかないんだから!」

「「「ハハハッ」」」

食堂が笑いに包まれた。

「お前ら、・・・・探すの大変だったろう。





ありがとう」


ちょっと照れながら言った兵長の一言に、オルオだけではなくエレンまでも泣き出してしまった。
エレンの頭をくしゃくしゃになでてやる。
まったくリヴァイ班が聞いて呆れる。



でも・・・
やっぱりいいな。仲間って。



次に会った時には伝えよう。

俺にはこんなにも素敵な仲間がいることを。

こんなにも優しい上司がいることを。

「アナ、ありがとう。君のおかげで兵長がこんなにも喜んでくれた。
兵長がこんなに喋るなんてレアなんだぞ!」

そして、リヴァイ兵長ありがとうございます。
兵長のおかげで彼女に出会うことが出来ました。

一生、兵長について行きます。


~完~

「バカ言え、俺はもともと結構喋る」

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