第11章 おちゃめ
次の日の朝、いつもより早く目覚めた私は、重い瞼をこすりながらリビングへと向かった。
リビングの扉を開けると、ユウさんがソファでコーヒーを飲みながら本を読んでいた。
『あ、おはようございます!』
『おはよ』
ユウさんは私の顔を見ることもなく、返事をする。
素っ気ないなぁ、、。
『ユ、ユウさん珍しいですね!リビングにいるなんて。』
『いや、それこっちのセリフだから』
ユウさんの目線が小説から私の方へと移る。
『俺はほとんど朝はここで本読んでるし、逆にお前がこんな時間に起きれたことが珍しいだろ』
うっ、、、。否めない。
『そ、そうです、、ね。』
『お前もなんか飲むか?』
『え?!』
まさか、ユウさんの口からこんな言葉が聞けるなんて。
『えーーーっと、、、紅茶で』
そういうと、ユウさんは小説をテーブルに置き、キッチンの方へとスタスタ歩いていった。
その間に、私もソファに腰を掛ける。
なんとなくチラッと小説の表紙を見てみると、なにやら難しそうな歴史の小説だった。
私には一生かけても理解できなさそう、、。
しばらくして
『はい』
と、私の目の前に、砂糖が付属されている紅茶を置いてくれた。
『ありがとうございます』
しっかりお礼をいい、砂糖を紅茶の中に入れる。
『ユウさんて、こんな難しい本を読んでたんですね』
『あぁ、これか?見た目だけね』
『え?』
私は不思議に思い、少し顔をかしげる。
『ほれ』
と、小説の中身を見せてくれた。