第10章 綺麗なあの人
家に着くと真っ先にレンさんの姿を探す。
リビングに行くと、シュンがソファで携帯をいじりながら寛いでいた。
『ねぇねぇ、レンさん知らない?』
『レン?レンなら部屋にいるんじゃないかな?』
『おっけ!ありがと!』
シュンにお礼を言うと、すぐさま階段を登り、レンさんの部屋へと向かう。
すると、レンさんの部屋から話し声が薄っすら聞こえた。
『、、、わかったって、、。うん。言っとくよ。はいはい。じゃーね。』
ノックしようとした手を、スッと下に戻す。
誰と電話してたんだろ、、?
『なにしてんの』
低めの聞き覚えのある声が後ろから聞こえ、ふと振り返る。
『あ、ユウさん!』
『レンに用事?』
『あ、はい、、まぁ、、。』
『お前は本当懲りないな』
『なにがですかーーー!』
私は、ぷくっとほっぺたを膨らませ、可愛げのない顔をする。
『だーかーら、男の部屋に入ったら危ないって言ったよな?』
そういい、私の膨らんだ頬を指で挟む。
『うーーっ!!』
さっきより少し近くなったユウさんの顔が、あまりにもかっこよくて目を逸らしてしまった。
『んま、気をつけなよ』
『はい、、。』
嬉しいんだか悲しいんだか、、。
でも前より普通に話してくれるようになったよね?
それだけでも嬉しい。