第10章 綺麗なあの人
6人でエレベーターに乗り、5階まで昇る。
『今日はまず最初だから、発声練習からだな!』
エレベーターの中でタツキさんが、私達に話しかける。
『すっごい楽しみ!頑張るぞっ!!』
と、ガッツポーズをしてかなり気合の入ってるきこりん。
そんなきこりんを私達は微笑みながら見ていた。
そうだ、私なんて歌の練習たくさんしないとダメだ!
そして私達はある部屋の前に着いた。
『よし、入るか!』
タツキさんのその言葉に、少し唾を飲み、扉を開ける。
『あ!!!!』
そういい、私の方を指差したこの女の人。
『あっ!!!!!!!』
同じく私も失礼ながら、指を差し返す。
『『こないだの!!』』
と、2人でハモってしまったわけで。
目の前にいるこの綺麗な人は、こないだたまたま廊下であった女の人だった。
『あれ?れいな知り合い?』
タツキさんが私達を交互に見て、不思議そうな顔をしている。
『こないだレイシスの顔合わせの日に廊下であったんですよ!』
『そうだったのか!じゃ、みんなにも紹介するな!この人がレインボーシスターの歌、ダンスを担当してくれる、一ノ瀬ミレイだ。』
『みなさん今日から宜しくね!』
と、最高に綺麗な笑顔で言う。
ミレイさんの挨拶に、私達も満面の笑みで返す。
ってか、一ノ瀬???
いや、まさかね。
でも、なんかどことなくレンさんに似てる気もするし。