第10章 綺麗なあの人
朝ギリギリに起きて、朝ご飯もろくに食べれず家を出た。
ソレイユのメンバーは、カケルさんとユウさんだけがお仕事があるらしく、一緒のバンに乗って事務所までやってきた。
私を事務所の前で降ろすと、お兄ちゃんを含めた3人はそのまま行ってしまった。
カケルさん達ここで仕事じゃないのかぁ。
私は一人で事務所へと入り、レコーディング室へ向かう廊下を歩いていると。
『れいなちゃん!おはよう!』
『あ、ミドリちゃん!!おはよう!』
本当にいつ見てもお人形さんみたい!
『私迷っちゃって、、一緒に行こう?』
『初めてだしね!私もよくわからないけど、一緒に行こ!』
確かに事務所広すぎだよね!
ミドリちゃんと道なりに歩いていると、左手に茶色のレトロな扉があった。
『ここだ!』
『なんだかワクワクしてきたねぇ!』
私達はワクワクしながらゆっくり扉を開けた。
中は、よくテレビで見るようなレコーディングの部屋そのままだった。
少し薄暗くて、奥には防音されたレコーディングする部屋がある。
そして、ソファにはもうすでにアカナちゃんとアオコちゃんが座っていた。
『2人ともおはよう!早いね!』
『おはよう』
『おはようございます!楽しみで早く来てしまいました!』
『その気持ち分かるぅ』
『あ、ところできこりんは?』
『まだ来てないみたい』
『道に迷ってなければいいですけど、、』
きこりんは元気だし、迷っても何とか辿り着きそうだよね!!
その時、廊下の方から小走りな足音が聞こえてきた。
バンッと扉が大きく開き、噂の本人が登場した。
『みんなおっはようー!!間に合ったー!!』
『おはよう!きこりんは相変わらず元気だね!』
『もっちろん!いつでも元気モリモリ!ってあれ?キコ達だけしかいないの?』
『そうなんだよね、まだ来てないみたい』
アカナちゃんがソファに座り、腕と足を組みながら言う。
『私達のデビュー曲どんな感じなんだろう!気になるぅ!』
『早く聴きたいですね!』
そんな風にデビュー曲の想像をしていると、ようやく我等の曲が到着した。