第9章 レインボーシスター
『ねぇ、お願い!これ取ってよ!』
『えーーーじゃあ言うこと聞いてくれたらいいよ』
『な、なに?』
アラタは口角を上げ、明らかなにかを企んでいるような顔つきになった。
『俺が今からすることに対して一切抵抗したらダメ。30秒間我慢できたら外してやってもいいよ』
『することって?』
『それは言ったら面白くないじゃん』
することって何だろう、、
『わ、分かったよ。30秒間我慢すればいいんでしょ?約束だからね?』
私の言葉に、アラタは頷く。
もし30秒経ってもやめなかったら、今度こそ大声だそう。
『じゃあ、我慢して』
その言葉を合図に、アラタの口が耳元へと向かってくる。
手で後頭部を抑えられ、耳を軽く甘噛みし、そっと耳たぶを舐めてきた。
私は耳と首が大の苦手で、触られるだけでも全身に鳥肌が立つくらいだった。
『んっ』
『ここダメなんだ』
アラタは私の弱点に気づいたようで、耳から首筋にかけてを責めてくる。
『や、やめ!はぁ、、んん』
弱点を責められると、出したくないのに勝手に声が漏れてしまう。
『えっろ』
きっちり数えていたわけではないが、もう30秒は経っているだろう。
『ねぇ、、、時間、、経ってる、んじゃ、ない?』
私のその言葉に一切返答無しで、アラタの舌はどんどん下へと降りてくる。
『や、やめて!!』
少し大きな声を出しても、力に勝てるわけもなく全く無駄な抵抗になってしまう。
や、やばい!これ以上、下行ったら!
と、その時だった。
ガチャっとゆっくり部屋のドアが開いた。
そこには少し眠たそうな表情をしたユウさんが立っていた。
『うるさいんだけど』
そういい、私たちに目を向けると少し驚いたように目を大きくした。
確かにこの状況みたら誰だって驚くよね。
『ユウさん、、助けて、、』
『おいアラタ。それはやりすぎだ』
『別にいいじゃん、こいつになにしようが俺の勝手だろ』
『少し飲み過ぎだ、頭冷やせ』
そういいながら、私の腕の手錠を外してくれた。
『あ、ありがとう』
ユウさんに連れられてやっとのことで部屋を出ることができた。
『あいつ酒入ったらいつもの倍あぁなるから、気をつけろよ』