第9章 レインボーシスター
『明日から猛練習なんだ!』
『頑張れよ!』
『俺もタツキに言っとかないとな。お調子者のれいなを宜しくって』
『なにさー!!!』
お兄ちゃんのイタズラな笑顔を見て、ついムキになってしまう。
『れいなって、歌とかダンスとか出来るの?』
『ダンスは小学校の時からやってるから出来るよ!歌は普通だとおもう』
ダンスは自信もてるけど、歌はよくわかんないや!!
『へぇー!』
『ダンス出来るとかかっこいいね!』
『皆もできるじゃん!!』
『確かに人並みには踊れなきゃダメだけどさ』
『1番ダンス上手いのって誰なの??』
『俺じゃない?』
真っ先に答えを導き出したのはシュンだった。
『いや、自分で言うなよ』
『確かにシュンが1番上手いかも!』
シュンは親指と人差し指を顎にのせ、自信有り気にドヤ顔をしている。
『なんか意外!』
『えー!なんかそれ酷い!!』
そういい、ほっぺを膨らませている。
『冗談だよ!歌は誰が得意なの?』
『うーん、歌だったらユウじゃないかな?』
『俺?』
ユウさんは食べている手を止め、レンさんの方を向いた。
『うん。歌うまいし、ピアノ弾けるし、作曲もしちゃうし』
『ユウすごいんだよなぁ!』
『ありがとう』
そういい、またすぐにシチューへと目線を戻す。
ユウさんってピアノ弾くんだ、、なんかすごい。
ユウさんのピアノを弾いてる姿を想像すると、今すぐにでも聴きたくなる。
アーティストっぽい話をしながら、晩御飯の時間はあっという間に過ぎて行った。
私がキッチンで洗い物をしていると、アラタが横にきて話しかけてくる。
『あとで俺の部屋来てよ』
『なんで?』
『いいから来い』
それだけ言い、スタスタとリビングを出て行ってしまった。
なんだったんだろう?
洗い物を終わらせ寝る準備をした後、アラタの部屋へと向かう。