第9章 レインボーシスター
帰りのバンの中、皆いつもと同じ座席に座っている。
私は運転しているお兄ちゃんに、タツキさんのことを聞いてみた。
『ねぇねぇお兄ちゃん!小鳥遊タツキって知ってる?』
『タツキ?あ、知ってるよ!同期だし友達だから!』
『友達なの?歳も近いなぁって思ってたんだ!』
『ってかなんで知ってるの?』
『私達のマネージャーなの!』
『え!!あいつ担当変わったのかぁ、、』
お兄ちゃんが何やらブツブツと独り言を言っている。
前に向かって話しているから、イマイチよく聞こえない。
『それでね、タツキさんの妹が私達のメンバーの中にいたの!』
『へぇ、そんなこともあるもんだな』
ずっと大人しかったレンさんが後ろから話に入ってきた。
他のメンバーは皆疲れて寝ているようだった。
『そうなんですよ!そんな偶然ないですよね!そんでもって目がソックリで!!』
私は上半身をレンさんの方に向け、話す。
『やっぱりキョウダイってどことなく似てたりするんですかね!』
『確かに!俺もよく姉貴と似てるって言われるんだよな』
『レンさんってお姉さんいるんですか!』
レンさんに似たお姉さんなんて絶対綺麗に違いない!!
『うん!れいなとリョウさんは、話し方とか仕草とか似てる』
そういい、口元が今にも笑いそうになっていた。
『なんで笑いそうなんですか!!仕草ってどんなですか?』
『え、だってうけるもん。お風呂上がりに水飲むじゃん?その時、腰に手あてたり』
『よ、よく見てますね、、』
『ば!別に見てたってか、たまたま目に入ったっていうか』
『はいはい、分かりましたよ!!』
ほんとすぐ照れるんだから!!
体を前に戻すと、もう家のすぐ近くまで来ていることに気づく。
『もーすぐ着くぞー』
お兄ちゃんのその言葉にカケルさんが目を覚ました様子だった。
横を見るとアラタとシュンはまだ気持ち良さそうに寝ている。
それから5分もしないで家に着いた。
『着いたぞー!起きろー!』
それでも起きない2人を揺すって起こす。
『着いたよ!起きて!!』
2人はまだ眠たさの残っている声で返事をした。