第6章 歓迎会
『ってか、シュン。なにか着て!』
驚きすぎてあまり気にしていなかったが、冷静になるとパンツ一丁だということに気づく。
『あ、ごめんごめん!!』
からかうように笑いながら脱衣所の中へと入って行った。
いつも服着てるから気がつかないけど、シュンも結構筋肉あるんだな、、、、、って変態か私!
ブンブンと首を横に振り、なにも見てないと自分に言い聞かせる。
私がソファに座って先にテレビを見てると
『おまたせー!』
と、きちんと寝巻きを着たシュンが私の横に座った。
それから2人で心霊映像を見ていた。
テレビでちょうど、なにか幽霊の姿が現れそうっていうタイミングで
『わぁあ!!!!』
と、横にいる私を驚かしてきた。
『きゃあぁあぁああ!!!』
私は咄嗟にシュンに抱きつく形になってしまった。
私のお腹にあるクッションのおかげで、完全に密着はしていない。
『わぁ!ごめんなさいっ!!』
私は自分のしたことを認識し、すぐ離れようとした。
でも、シュンは抱きしめたまま離してくれない。
え、なに、、どうして??
『ねぇ、れいな。』
いつものシュンとはまるで別人の真剣な話し方。
『チューしよっか』
突然のシュンの言葉に、カァーと顔が火照る。
急になに言ってるの!?
『やだ?』
『、、やだとかそういうのじゃなくて、、』
そんな急に言われても、頭がついていけないよ、、
私がしどろもどろしていると
『、、嘘、ごめん!冗談!!』
私を離し、歯を出して笑うが、何処と無く寂しさが混ざっているようにも見えた。
『シュン?』
『、、、手だけ繋いでもいいかな』
『、、うん』
なんだかすごく寂しそう。いつものシュンじゃない。
私達は、付き合いたてのカップルのようにぎこちなく手を繋いだ。
左手にはクッション、右手にはシュンの手という状況で、いつの間にか睡魔が襲ってきて、私はすっと穴に落ちるように眠ってしまった。
このあとシュンが部屋まで運んでくれたことなんて、全く知らない私だった。