第5章 紳士の意外な一面
私はさっそくカケルさんのところへ向かった。
廊下の1番奥、扉をノックしてもなんの反応もない。
寝ちゃったのかな、、そうだ。置き手紙おいておこーっと。
『失礼しまーす、、』
私は起こさないように、静かに部屋に入った。
カケルさんの部屋は、全体的にモノクロ色で統一してあった。
そしてきちんと綺麗に整頓してあって、性格そのものが現れている感じだった。
ふと左を見ると、大きなベッドで気持ち良さそうに寝ていた。
やっぱり寝てたんだ。それにしても寝顔までかっこいいなんて、、
置き手紙のことなんて二の次で、カケルさんの寝顔をまじまじと見ていた。
すると
『ん、、、れいなか、、どうした。』
とろんと眠気の残った声で言った。
『あの、カケルさん今日夕食当番ですよね?』
『あ、、そうだった。行かなきゃ』
そういい、ベッドから起きようとする。
『カケルさん!寝てて下さい!私、今日から夕食当番することにしました!』
『えっ!?』
私の言葉に、目を見開いて驚く。
『みなさん毎日お仕事で疲れてるだろうし、私も役に立ちたいから、、』
『そっかそっか、、れいなありがとう。』
カケルさんは、優しい笑顔で私の頭をくしゃくしゃっと撫でてくれた。
『恥ずかしいです、、』
『あ、そうだった!ごめんごめん、、!』
そういい、分かってやってるようなからかいのある笑顔をした。