第5章 紳士の意外な一面
『笑ってる顔が1番可愛いよ。』
カケルさんってば、恥ずかしいことさらって言っちゃうよね!
『恥ずかしいです、、』
『顔赤くなった。、、、、あ、そういうことか!』
カケルさんは、こぶしをポンっともう片方の手のヒラにのせ、なにか納得した様子。
『さっき顔赤かったのって熱じゃなかったのかな?』
『はい、、』
『もしかして、俺があんなことしたから?』
その言葉でさっきのことを思い出し、顔を赤く染めながらまたコクリと頷く。
『ごめん!俺気づかなくて、、!なんていうかさ、ほっとけなくなるんだよ。』
カケルさんの表情が、一気に男の人になった気がした。
『でも嬉しいです。こんな私に優しくしてくれて。』
『当たり前だろ!もう同じ家に住む仲間!ファミリーだよ!!』
カケルさんの熱く語るその姿が、少しお兄ちゃんと重なって、自然と笑顔がこぼれる。
『嬉しいです、、、、。あ、ずっと思ってたんですけど、カケルさんどうして1人なんですか?』
私が気になっていたことを口に出すと、カケルさんは目を見開いた。
『あ!!!俺、忘れ物とりにきたんだった!!取材まだ途中!』
『え!!!なんかごめんなさい!!』
『なんでれいなが謝るの!!ちょ、行ってくるわ!』
慌てた足取りで忘れ物を手にし、出て行ってしまった。
しっかりしてるけど、少しおっちょこちょいなところもあるんだね。