• テキストサイズ

危険なルームシェア

第16章 本当の気持ち




軽く3回ノックした後、部屋の中から低めの声が聞こえてきた。


『だれ』

『あ、あの、、私です。さっきはその、、』


私がもごもごと言葉を濁しながら話すと、それに見兼ねたのか、ユウさんがドアを開けてくれた。


中から現れたユウさんは、本を読んでいたのか黒縁メガネ姿だった。

私はなにも言わず、導かれるまま部屋へと入った。


『そこに座れ』

そう言われ、いつだかも座ったベッドの上に腰を沈めると、私の右隣にユウさんも腰を下ろした。



『んで?なんか俺に言いたいことあんの?』

『あ、あの、、さっきはごめんなさい!私が鍵をかけ忘れたばかりに、お見苦しいもの見せてしまって、、』

『あぁ、別にいいけど。俺も確認しなかったの悪いから』


意外にもあっさりとした返事に、私の緊張も少し解けてきた。

私がホッと胸を撫で下ろすのを見て、ユウさんは意地の悪そうな笑みを浮かべた。


『で?話はそれだけか?』

『え?』

なんとなくユウさんの言いたいことは分かるけど、なんて言葉に出したらいいのか分からない。


『てっきり、昨日のこと謝りに来たのかと思ったけど』

そういい、いたずらっ子のような表情をしながら、俯く私の顔を覗き込む。


『えーっと、、き、昨日は、失礼なことを言って、、すみませんでした』

自分でも自分の声が耳に入ってこないくらいの声。

謝ることくらい簡単なはずなのに、、。

ユウさんの目を見てると吸い込まれそうで、顔を上げることもできない。



/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp