第15章 夏らしいコト
私たちは、刻々と色を濃くしていく夕焼けの中を、他愛もない話をしながらゆっくり走る。
『そういえばレイシス新曲出すんだって?』
『そうそう!!こんなに早く出すとは思ってなくてさー、しかも衣装結構肌露出するんだよねぇぇ、、。』
アラタは、ふーん、と隠しきれてないニヤケ顔をしている。
『だからダイエットのためにかぁー』
『そーゆーこといちいち言わなくていいってば!デリカシーないなぁー』
『だって、お前いじるの面白いんだもん』
私は走りながら、眉間にシワを寄せ、少し頬を膨らませる。
『ってかさ、何回も聞くけど、ユウと付き合ってないんだよね?』
『何回も言うけど、付き合ってない!!』
私がそういうと、アラタはホっと肩の荷が降りたような安堵した表情をする。
ってかどんだけ知りたいのよ、、。
『なんでそんなに気になるの?』
『ユウはやめといた方がいいと思うから。あとあと痛い目みるのはお前だし』
『え、、?なん』
私がなぜか理由を聞こうとすると、それを察したのかアラタは
『じゃ、家まで競争な。よーいドンっ!!!』
と、話を遮るように一足先に前へと進んでしまった。
この調子じゃあ、理由は聞かせてくれなさそうだよね、、。
んまぁ、今はユウさんと喧嘩中だからそんな話すこともないけどさ、、、。
でもやっぱりアラタと話してみるとよく分かるんだよね。
アラタにはしない胸のドキドキ感がユウさんにはあるって、、。