第15章 夏らしいコト
『お姉さん1人ー??お、めっちゃ可愛いじゃーん!!』
肩を叩かれ振り向くと、そこにはチャラそうな金髪の男が3人いた。
『な、なんですか?』
『俺たちと遊ぼーよー、こっちこっちー』
『ちょっと!離してくださいっ!』
私の抵抗も虚しく、人気の少なく、売店からはちょうど死角になるところへと連れていかれた。
2人に壁に腕を押さえつけられ、全く身動きが取れない。
力をいれてもビクともしないし、この人たちなんなの!!
『こんなん取っちゃいなよー』
そういい、もう1人が私のパーカーのチャックをゆっくりと下ろす。
『うーわっ、この子持ってるわぁ』
『本当だ、エッローー』
『や!やめて!!!』
『うるせーよ、口塞ぐか』
そういい、男は私の口へと顔を近づけてきた。
やばい、このままだとヤラレる。
誰かっ!!!誰か助けて!!!
その時、、
うっ!と言う男の声が聞こえ、私の前から男の姿がなくなった。
その瞬間に、押さえつけられていた腕も解放された。
なにが起こったのかと見てみると、男がお腹を抑えながら地面に倒れていた。
『失せろ』
低めのボイスが聞こえ、男たちは後ずさりながらその場を去って行った。
『、、ユウさん、、、』
安心感からか私は、ポロポロと涙を流し、その場に座り込んだ。
『危なかったな、大丈夫か』
私は、止まらない涙を手で拭いながら何度も頷いた。
『怖かったな、、ごめん、1人で行かせて』
ユウさんは眉を寄せて、申し訳なさそうに私の頭を撫ぜる。
『この姿みるの俺だけが良かった』
『え?』
その言葉に驚き、咄嗟に顔を上げる。
『お前こんなエロい体させてたら、悪い虫寄ってくるだろ。これを見るのは俺だけでいいんだよ、わかったな?』
優しい顔の中に、意地の悪い顔も混じった表情で、私のパーカーのチャックを上まで上げる。
『あっち戻っても、これは脱ぐなよ』
私は素直に、首を縦に振った。
なんかひとつひとつの言葉が優しくて、心がキュッと締め付けられる。