第12章 レイシスデビュー
時間が刻一刻と過ぎ、早い人はもう8杯目を呑んでるところだ。
お兄ちゃんはというと、案の定潰れて片隅の方で眠っております。
アカナちゃんは、タツキさんの酔っ払い加減にかなりイライラしてるようで、反抗期の娘になったかのようにいつもに増して冷ややかな目をしてる。
最初は決められた席でみんな大人しく呑んでいたけど、時間が経つにつれて好き勝手に呑むようになった。
本当は私もユウさんの隣に行きたい、、なんてね。
クールなユウさんだが、意外にも隣のアオコちゃんと気があうようで、あちらはあちらで盛り上がっているようだった。
なーに話してんだろっ。うーーーーん、、、。
なんかモヤモヤする。
『お前顔怖いぞ』
レンさんに言われ、自分の眉間にシワが寄っていたことに気づく。
んーーー、ムカムカするぅうう!!!
『カケルさん!!呑ませて!』
『ちょっ!れいなちゃん?!!』
カケルさんの言葉なんてお構いなしに、カケルさんのビールを勝手にグビグビと飲み干す。
うっげぇええええぇえ!!マズイ、、。
初めて飲んだけど、なにこれぇえええ!!
しかもこの間飲んだウーロンハイより、お酒強そう、、。一気に飲み過ぎてもうすでに少しやばいかも、、。
ふと右を見ると、片方の口角を上げ、企みの笑みを浮かべているやつがいた。
でもなんか気持ちよくなってきた。まだまだ呑みたい!呑み足りない!!!
『カケルさん、おかわり!!』
『ちょっ、ダメだよ未成年なんだから!』
『いいじゃん、カケル!もう一杯だけ呑ませてあげれば?』
右隣のやつが、かなり楽しんでいるようで、こういう時ばっかり私にのっかってくる。
『じゃ、じゃあ一杯だけね?』
『やったぁ!カケルさん大好きぃい♪』
カケルさんは、私がそう言うと、お酒のせいなのかみるみるうちに耳元まで真っ赤に染まってしまった。