第2章 ー出会いー
連絡事項等を先生が伝え、号令で朝のホームルームを終え終えた瞬間、廊下から奇声ががった。
(朝からうるさいなあ)
愛那はうんざりしながらカバンから教科書を出していると、その奇声を聞いてクラスもざわつき始めた。
「あ、来たわよ。」
「今日もかっこいい。」
「俺もあんなイケメンに生まれたかった。世の中不公平だよな。」
なんお話をしてるんだ、馬鹿馬鹿しいと思いながら、廊下のほうを見ていると、4人の男の子がたくさんの人に囲まれていた。
「なんじゃありゃ…。」
おもわず本音が口に出てしまっていることに気付かないでいると、後ろから、
「あれは、この学校のイケメンくんたちだよ。」
と言われ、声のするほうを見ると、女の子が立っていた。
「初めまして。私は、湊有希(みなとゆき)。有希って呼んで。」
その女の子は、どうやら私の斜め後ろの席らしい。
「あ、私は見町愛那。愛那って呼んで。」
有希は嬉しそうにうなづくと、私の机のそばにしゃがみ、
「私たちの学校じゃいつもあんな感じ。女子だけじゃなくて男子からも人気だからね。」
「そうなんだ。」
私は興味なかった。そもそも男子が苦手なのだから、私には何も関係ない。それにしても、有希はなんであそこに混じらないのかと疑問に思い、聞いてみると、
「私、男子恐怖症というか、喋れないんだよね…。」
と言った。
「私と一緒やん!」
私と同じ人がいるなんて思いもしなかったので、嬉しかった。
一時間目は、移動教室だ。私と有希はみんなと違い、興味がないことから、一緒に移動教室をすることになった。
有希とはなにかと気が合い、楽しいそうに喋りながら廊下を歩いて行った。