第4章 【東峰 旭】義理チョコ、へなちょこ、本命チョコ
「・・佐藤!」
「・・ん?」
「俺、佐藤の事が好き・・です」
「へ・・?」
東峰は私の元に駆け寄って、大きく息を吐いて姿勢を正した。
「俺、佐藤が情けだとしても俺にチョコを作ってくれるって言ってくれて本当に嬉しかった。罰ゲームは好きな子に告白だったから・・だから今、佐藤の事探してたんだ。俺と・・付き合ってくれませんか?」
私はカバンの中からハンカチを取り出して、汚れていた東峰の手を拭いた。
「罰ゲームしなくていいのに罰ゲームしてるの?」
「あっ・・」
「バカ・・」
私が手を拭きながらそう言うと、東峰はハハと笑いながら私の名前を呼んだ。
私が顔を上げると、東峰は汚れていない方の腕でぎゅっと私を抱き寄せた。
「ダメかな?俺、佐藤の事ずっと好きだったんだ」
「・・・バーカ」
「そんなこと言うなよ・・」
「バカ。バーカ。バカバカバカ」
私は東峰の背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめ返した。
「・・なんでか分からないけど、私も好きになっちゃったじゃん。・・バカ」
私達は更に強く抱きしめ合った。
東峰の心臓の音、体温、匂い。
私はいつから東峰の事を好きになったんだろうか。
そんなことは分からない。
けど、今とても幸せな気分でいっぱいだ。
「わぁ・・俺幸せすぎて死んじゃうかも」
「ふふふ。・・バーカ」
東峰はバカだ。
けど、私の方がもっとバカだ。
だって、私の方が先に
幸せすぎて死んじゃいそうなんだもん。
TheEnd
「意地悪」「ハグ」「幸せ」