第1章 好き
カランッ
氷の崩れる音
「〜〜〜〜〜〜」
功の話し声
『誰と………話してるの?』
私のか細い声
そっと立ち上がり扉に近寄り耳を立てる
「〜〜〜〜〜〜〜」
『………聞こえない』
一階で話してる?
音を立てず扉をあけゆっくりと階段に近寄る
「好きだよ。うん、うん、愛してる。もうちょっと待って。すぐに別れるから」
『っ!!!!』
ギシッ
床の軋む音と共に振り返る功
「ん?何でもないよ音がした気がして後ろ振り返っただけ」
『……………功』
小さく小さく功の名前を呼ぶ
「ふふ、だから愛してるって××」
功の口からは違う女の人の名前
『ふっ………うぅ………っ。。。』
声を押し殺して泣く
目から流れる涙は止まることを知らない