第1章 好き
「愛梨。今日は愛梨の家よってもいい?」
『うん!いいよ!』
あれから数日経ちいつも通りに戻っていた
嫌だった功の手も大好きになった
”あれは夢だったんだ。”
あの日から私は私に言い聞かせ続けてきた
そう、あれは夢だった
ブーブー。ブーブー。
互いに背中をくっつけ思い思いのことをしていた
その時なった功の携帯
誰からの電話だろと私がディスプレイを見る前に功の手が伸びた
「あ、ごめん。電話してくるね」
『ここでしてもいいのに〜』
「ははっ、いいよ。廊下でしてくる」
『むぅー。……早く戻ってきてね?』
「うん。わかってるよ」
チュッ
と小さなリップ音を立てキスをした
”たまたま、私が見る前に手が伸びた”
”隠そうとしたわけではない”
”浮気相手からの電話ではない”
急に浮かび上がったあの日の浮気現場
”あれは、夢だったんだんだ!!!!”