第4章 相葉雅紀 × 元カレ
ある日、「私、男子恐怖症なんです。」言ってみた。
「え・・・?」
「男子が苦手なんです。ずっと女子校だったので。」
「そっか・・」
「驚かないんですか?」
「え、いや。知ってたから・・」
「知っててしつこくしてきたんですか?」
「しつこくって、ガビーン。」
「ガビーンって・・あははっ」
「あ、笑ってくれた。」
「え?」
「俺の前で、笑ってくれたことなかったでしょ?ずーっと笑わせてあげたかったの。」
顔が一気に赤くなる感じがした。
「そ・・そんな!」
「あ、照れてる?かわいい♡」
「からかわないでください!」
「ごめんごめん・・でもさ、本当にかわいいよ?俺の前ではさ、笑ってよね?あなたが笑顔になると、俺も笑顔になるのー」
そう言ってニコッと笑う。
心臓がドキドキして、暖かいものに包まれる感じがした。
これは、なに?
「おーい、雅紀!」
「あ!今行く!じゃあね!」
彼が行ってしまうと、胸が苦しくなる。
「行かないで・・・」
そう無意識に出てきた言葉はすべてを語っていた。