第20章 櫻井翔 × 文化祭 委員長
私のシフトの時間が迫ってきている。
用意はできているけどこんな格好で人前に出るなんて…恥ずかしい。
「ちょっと~!もうすぐでしょ?早く来てよ!」
「は~い」
「メイド姿、似合ってるから!恥ずかしがらないの!」
「は~い…」
といっても、恥ずかしい…
「出たくない~う~」
「大丈夫?」
「しょ、櫻井くん!」
「俺の名前、『しょ、櫻井』じゃないんだけど(笑)」
「ご、ごめん…」
「翔でいいよ、ってこと(笑) どうした?行かないの?」
「い、行くよ…」
「あぁ~もう泣きそうな顔しないの!似合ってるよ?かわいいよ?」
そう言って彼は私の頭をポンポンなでる。
その優しさにドキッとしてしまった。