第4章 寂しがり屋のウサコちゃん
朝日が差し込む部屋の中、一人の青年が目を覚ました。
昨日を振り返る。
「…あの少女は何者なんだ」
トントントントン
味噌汁の良い匂いが漂っている台所
一人の少女は沢庵を切っていた。
「ふぁ〜、あれ?今日シオちゃんが作る日だっけ?」
「おはよう、巻姉さん!違うよ、龍一さんだよ。でも、龍一さんきっと二日酔いで起きられないと思うから」
いつもなら5時くらいに起きている龍一さん
飲んでくれたか分からない薬を、あてにしてはならない
「…よしよし、シオちゃんは良い子ね」
ふわりと頭を撫でられる
「よしよしって、私そんなに幼く見える?!」
「ごっめ〜ん、童顔で背が低いとか…」
「姉さん、この包丁があなたの方に向くまで数秒もいりませんよ」
「ごめんごめん!私じゃなくて沢庵切って!」
低身長童顔、私のコンプレックスをぐいぐい言ってきた姉さん
許すまじ
「巻姉さん、買い物って明日だよね?…楽しみだなあ、あ、未来ちゃん起こしてきてくれる?」
「そ、明日よ!じゃあ起こしてくるね!雷牙も多分起きてないよ〜」
ついでに雷牙くんも起こしてもらおうと思った時にはもう巻姉さんの姿は見当たらなかった
…未来ちゃん手強いからな、10分かかるか…?
その間に起こしておこうか、雷牙くんを!
「おっと、火を止めてからにしないと!」