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干支様あなたの番ですよ!

第4章 寂しがり屋のウサコちゃん


龍の絵が描かれた扉

龍一さんの部屋の前に私はいる

コンコン

「龍一さん、栞です。」

あの紙には

酔いがなかなか冷めません。と書いてあっただけ

だか薬を持ってきた

コンコン

「龍一さん?」

2回目だが返事がない
寝てたり、とりあえず薬だけでも置いていこう
入っても大丈夫かな?

「入りますよ?」

ガチャ

薄暗い、豆球が付いているだけだ

人が近づいてくる気配。

「龍一さん!寝てました?起こしちゃったらごめんなさい、薬を届けに……」

またふわりと香るお酒の匂い
同時に扉が閉まる

「…栞」

「龍一さん?」

少しドキッとした。呼び捨てで呼ばれたもんだから

肩にかかる重み、頬をくすぐる柔らかな毛

「!!大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ…いつも通りです。大丈夫」

グリグリと鼻を押し付ける彼

「酔ってますね、水飲みましょうか」

大丈夫。ただそれだけ言って動こうとしない彼

「ちゅーしちゃいますよ?」

「鳩尾殴ってもいいですか、龍一さん」

すっと離れる

「ドキドキしませんでしたか?」

「す、するわけないです!薬飲んでゆっくり休んで下さいよ!」

ガチャ

急いで部屋を出る私

ドキドキしない訳がない。

直ぐそばに龍一さんの顔があって、薄暗くても至近距離なら分かる。整った顔

もう一度言う、ドキドキしない訳がない!

「…はぁー、ドキドキした!」

顔が赤くなったのはナイショ

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