第3章 新生活メェ!
「よーし、龍一さん探すか!」
そう言って早足で廊下を行く
後ろから彼の声が聞こえてきた
「転ばないようにな〜!半紙に滑ってすってんころりんってな!」
笑ながら言っていた
なんで半紙…バナナとかツルツルの廊下が理由ならまだしも、何故半紙
と思ってたら本当にあった。半紙だ。
綺麗な字が額に入れられている。
「…なにゆえ」
あれ、こんな所にも額縁はっけ…ん
「なにゆえ!!!!」
そこにあったのは、筆で書かれた一文字
今までの廊下には、独特な雰囲気の漂う絵しか無かったのに、これは醸し出す雰囲気が違うよ
繊細かつ堂々とした筆の動き。この字は凄い。字について詳しくない私でも分かるよ
書いてあるのは…
「…神、神様だから神か、そうかな?絶対そうだよね。」
神 神 神…髪?…紙…噛む?!これ神つながりだったんじゃないの!?
まあ、それはさておき誰が書いたんだろうか。真面目そうな人っぽいな、なんとなく
真面目…もしかして!
「龍一さんかもしれない!早く見つけないと、どこにいるんだろうな」
私に被る影…これはもしかしなくても誰か居る
さっきもこんな風に話し掛けられたっけ
「誰っ…龍一さん!」
「はい、僕です。何か用でも?僕の名前、呼んでいませんでしたか?」
なんとタイミングの良いこと
背後に立っていたのは、袴の良く似合う龍一さんでした。
「実はですね!」