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午睡
第1章 午睡
あの陽に焼けた咽をとらえ爪をたてて、皮膚を破る。
完全に動きを封じたなら私よりずっと躰のおおきなあなたでもどうすることもできない。
あなたの赤みがかった眼は私を強くにらむ。にくい、なぜおまえがこんなことを、なんて語りかけるような眼。でも私も馬鹿じゃない。関節のしくみを学んで決して逃れられないようにあなたを縛り上げた。紐の色はあなたの瞳と同じ色。
舌を噛まないように布を噛ませたのは正解だった。声も出せない。
いつものあなたなら汚いことばで花子を罵倒したろうに。
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