• テキストサイズ

短編集【リオン・マグナス】

第3章 お前がいない世界を体験してみた






おい、いい加減起きろ!





















その一言で目が覚めたと思った。
























「珍しいわね、名前が寝坊なんて」
「あー、マジ悪ぃ」

ホントに、あたしは長い時間寝ていたようだ。
ルーティとフィリアに起こされ、ようやく目が覚めた。
スタンまで起きてるし。
マジどうしたあたし。

「疲労が溜まっていたのでしょうね」
「しばらくは戦闘続きだったからな。だがもう少しでファンダリアだ。着いたらみんなで雪合戦でもしよう」
「いいですね、マリーさん!俺、雪だるま作ります!」
「アンタ何歳よ!?一応グレバム追って、ファンダリアまで来ちゃったんだからね!」
「すっかり任務忘れてる感じだよなーあたしら」

相変わらずマリーは斜め上からの発言だし、スタンは19歳とは思えねーような脳だし。
フィリアやルーティがしっかりしてて良かったなと、つくづく思う。

まぁ、こんなパーティでよく旅して来れたもんだ。
これが終わったら、みんなでマリアンの紅茶でも飲みに行こう。

うん、終わったら……




























「それでね、マリアン!」
「ルーティ、少し話しすぎじゃないのか?マリアンさんも仕事あるんだからさ」
「何よスタン!久々だからいいでしょう!」
「ふふっ、いいのよ。みんなが無事に帰ってきてくれて、安心したわ」


あたしたちは無事にグレバムを倒し、神の眼を奪還した。
そして、セインガルドに帰ってきた。


「あ、そうそう。プリンを作っておいたの。良かったらみんなで食べて!」
「よーし、ファンダリアに残ったマリーさんやウッドロウさん、チェルシーの分まで食べるぞー!」
「は!?アンタ食べ過ぎよ!」
「スタンさん、私のをあげましょうか?」
「フィリアもいいのよ!こんな奴にあげなくても!」
「あらあら、沢山あるから、そんなに揉めなくても大丈夫よ。名前も、いっぱい食べてね」
「あぁ、ありがとうマリアン」




確かに、マリアンのプリンも紅茶も美味かった。
だけど、プリンを口に含む度に、あたしの心がどこか遠くへいくようだった。
















/ 20ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp