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短編集【リオン・マグナス】

第2章 ねこねこ




「ここで待っていろ。いいか、絶対部屋から出るんじゃないぞ」

そう言ってあたしを自分のベッドに下ろし、ユーリの待つあたしの部屋へ戻っていった。










「しっかし、あれはマリアンに似たんだろーなー」

先程のリオンの黒さは尋常じゃなかった。
マリアンが腹黒だったからな、似たんだよな、きっと。
ユーリよ、可哀想に。

そうこう思ってると、リオンが部屋から戻ってきた。







「ユーリから大体の話は聞いた」
「うん」
「何故断らなかった?」
「いや、ストレス溜めすぎは良くねーし、どうにかしなきゃなーと思って」
「お前なら、猫にならずとも猫を魔法か何かで呼べただろう?」
「…………あ」


その発想はなかったわ。
ユーリからは「猫になってくれ!」って言われたから、なる事しか頭になかったわ。


「あたしもまだまだだな」
「全くだ」
「じゃあ、元に戻るわ」

「……………待て」





ん?






「どうした?リオン」

「どこを触られた?」

「んーと、肉球とか耳とか?」

「ほぉ…………」

「り、リオン?」


リオンの顔がコワイ。
つーかヤバイ。
あたしの直感がそう告げている。
だが、逃げると余計ヤバイ気がして、逃げるという選択肢は消えていた。







「だったら、体が無事かどうか確かめないといけないな」
「……………はい?」
「お前があいつを庇っている可能性もないとは言い切れない。それに………


















ユーリが触って僕が触っていないのもおかしいだろ?」

















「いやいやいや、それもおかしいだろ!!!」

「大丈夫だ、優しく触れてやる」

「だから、もう戻るってば!ギャーーー!!」

















その日、バンエルティア号の2室から悲鳴が聞こえたそうだ。
一つはユーリの。
もう一つはあたしの叫びが。

その後、あたしは自室に帰れなくなる程リオンにいじられたのだった…………







END


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